【志免】「真奈美さんと考えよう!団体運営とヒトのはなし」

ボランティア活動をしていると、どうしても団体運営や、ヒトに関する様々なお悩みが出てきます。町内のボランティア活動者を対象にひとりでモヤモヤせず、より良い活動や団体運営について、一緒に考えませんかとよびかけ、セミナーを開催しました。

まちづくり支援室主催講座「真奈美さんと考えよう!団体運営とヒトのはなし」

  • 日時:2025年1月21日(火)13:30~15:30
  • 場所:志免町役場2階 第2会議室
  • 参加:18名(登録団体11名、登録外ボランティア団体3名 町内会2名 その他2名)
  • 講師:特定非営利活動法人 地域ひとネット 谷川真奈美氏

今回のセミナーでは、「活動や運営の継続」「参加・協力の引き出し方」について、一方的に解決案を伝えるのではなく、講師の事例をもとに、参加者同士で共に考え、ヒントやコツを見つけ出すという手法をとっていたため、座学だけでなく、ワークの時間も多くとられました。
参加者は3〜4名ごとに1テーブルに座り、時間どおりにセミナー開始となりました。
講師の自己紹介の後、参加者も自己紹介シートを作成し、そのシートを持って、参加者の中で知らない人を3人見つけて自己紹介しました。はじめましての方も、参加者同士がまずは自己紹介で交流することができました。

市民活動に正解はない

谷川先生が代表を務める「特定非営利活動法人地域ひとネット」が実施している「ふれあい囲碁」を始めるきっかけや活動の紹介がありました。コミュニケーションツールとしてのふれあい囲碁活動の中で、今まで関わってくれた活動者との間に活動に対する認識の違い、運営方針の認識の違い、お金に関する考え方の違いが生まれた時、3回の団体解散の危機があり、どのように乗り越えてきたかについてお話がありました。
話される事例は、大きなうなずきがみられ、どういう判断をして団体を継続してきたかというお話に熱心に聞き入っていました。
団体運営にとって大事な要素について、目的・目標、資金・会計、人、広報、その他の要素のうち、自分の団体が悩んでること、聞いてみたいことを書いてくださいと呼びかけがありました。付箋に書いたものをホワイトボードに貼り出して可視化しました。

休憩をはさみ、みなさんから出していただいた課題だと感じることについての回答を、スライド資料を使いながら、少ない人数でも事業を実施できるコツや、他の団体と上手に組む方法を事例をまじえて教えていただきました。
特に、人の巻き込み方の工夫については、団体の中で、代表にしかわからないことばかりではないですかと投げかけがありました。
谷川先生も、少ない人数で団体運営をしており、自分が団体内でしている役割を文字化してみたところ、役割分担ができるようになり、関わる人が増えたそうです。

また、自分の団体だけでは少ない人数でも、いろんな団体を巻き込んで一緒に事業をしている事例から、普段からゆるくつながっておくこと、つながりを絶やさないことがコツですよとお話がありました。

資金や会計についてのお悩みの中で、支援者や、賛助会員、助成元や、協力してくれる人たちに対し、報告を必ずしましょうという呼びかけがありました。
活動をしているとお願いばかりをして、報告を怠る団体が多いです。A4用紙1枚でもいいから報告をする。SNSや報告書で、ことあるごとにお礼をお伝えすることが、人を巻き込むポイントですよと話されました。
人を巻き込むとは、相手が喜ぶこと、欲しいものを組み合わせることで実現できますよという話に、参加者は自分の団体の活動を振り返りながら、支援者や、関わる人との関係性の大切さを再認識していました。

「ヒト」についての課題には、谷川先生からは活動する仲間を増やしたいとき、関わり方のグラデーションを受け入れて参加しやすい仕組みを作っていくことが大切ですとお話がありました。

参加しやすい仕組みとは

会議の議事録は必ず作る、決めなきゃいけないことを決める仕組みを作る。団体の中に誰を入れて、何を受け継いでいくか、何を変えていくか。分かるように議事録を残して共有することが大事だというお話にみなさん大きくうなずいていました。

谷川先生のご自身の経験に基づいた事例やお話から、参加者アンケートには、自分の団体に活かせそうなことが複数見つかった、先生の実体験が非常に参考になった、講座に参加していつも活動にご協力いただく方への報告やお礼をすぐにでも実践したいなどの反応が寄せられました。
また、セミナーではまちづくり支援室作成の「ボランティア団体運営の手引き」を改めて紹介し、困ったときには是非活用してほしいとお伝えして終了しました。

終了後も、谷川先生や支援室職員に、現状の課題について相談する姿がありました。
今後の活動の継続のために、学びを活かしたいと思う積極的な姿勢がみられ、参加した皆さんが、団体運営について考えるきっかけや、新たな気づきに繋がっていると実感し、嬉しく思いました。


(まちづくり支援室 白川)